観葉植物は、ワンちゃん・ネコちゃんにとって有害なものが多く、
食べると命を落とすこともあります。
ご家庭に観葉植物がある場合は、それらがワンちゃん・ネコちゃんに食べられないように対策を施しておく必要があります。
先日、「ヒヤシンスの葉を食べてしまった」というねこちゃんが当院にいらっしゃいました。
スコティッシュ・フォールドのミミちゃんです。
飼い主さんは観葉植物が危険だということをご存知だったので
気づいてすぐに連れていらっしゃいました。
日頃ミミちゃんの手の届かないところに観葉植物を置くようにしていたのですが、
この日はヒヤシンスを移動する為一時置いてしまったとのことです。
ミミちゃんも普段目にしないものがあって
めずらしくて気になったのかもしれません。
ヒヤシンスはユリ科の植物で、観葉植物の中でも特に危険なもののひとつです。
花・葉・茎を噛んだり、食べたり、
花粉をなめたりしても中毒を起こします。
嘔吐、下痢、沈鬱、脱水症状、腎臓障害、
視力障害や失明、呼吸困難、手足のしびれ、
循環不全、全身麻痺などの症状が現れ、
死亡することもあります。
回復しても、慢性腎不全や膵炎に移行する危険があります。
今回ヒヤシンスを食べてしまったミミちゃんは来院後吐かせる処置を試みましたが
ヒヤシンスの葉を吐き出せませんでした。
中毒症状を防ぐため点滴を行い、幸いにも症状が現れることなく
後日行った血液検査でも腎機能に異常はみられませんでした。
ワンちゃん・ネコちゃんにとって有害な植物は
何百種類もあります。
ご家庭にある植物が危険なものではないかを確認し、
置き場所についても気をつけてあげていただければと思います。
そして、万が一ワンちゃん・ネコちゃんが観葉植物を口にしてしまった場合は
すぐに病院を連れて来て下さい。
その際、食べてしまったものをお持ちいただけると診断の参考になります。
どうぞ観葉植物にはご注意下さい。