・猫の誤食について🐈
今回は「猫の誤食」についてお話いたします。
誤食をしてしまうと軽い体調不良を始め、深刻な内臓損傷など様々な健康問題を引き起こし、生死に関わる場合もあります。
猫が誤食してしまう危険性のあるものは身の周りにたくさんあります。
例えば、おもちゃ、毛糸、ヘアゴムや輪ゴム、ビニール、針など様々なものがあります。
この中でも特に猫で誤食例が多く、危険なものはヒモ状の異物です。
猫はヒモ状のおもちゃや長いものを好むため、じゃれたり、噛んで遊んでいるうちに遊びの延長で飲み込むことも少なくありません。
特に子猫〜若い猫は遊び好きで好奇心も非常に強いため、注意が必要です。
<誤食時の症状>
・嘔吐
・吐こうとしているが吐けない様子
・元気がない
・ぐったりしている
・食欲不振
・呼吸がはやい
・よだれが多い
など
稀に、猫の口や肛門から、誤食した糸やヒモの一部が出ている場合がありますが、 これは絶対に引っ張らないようにしてください‼
異物が消化管に引っかかっていたり埋まっていた場合、引っ張ることで消化管を傷つけ、状態が悪化する可能性があるため引っ張ったりせず、すぐに動物病院を受診しましょう。
<病院での検査>
※食べた物の写真や誤食物の一部があれば来院時に持ってきていただけるとスムーズに
診察、検査が行えます。
・触診
触診でお腹を触り、異物がないか確認します。
飲み込んだものが大きければお腹の上から異物を触ることができる場合があります。
また、触診の際に圧痛や腫れを確認できる場合もあります。
・血液検査
異物により中毒を起こしていることもあるため、全身の状態を確認します。
・画像検査(レントゲン検査、超音波検査)
レントゲンやエコーで異物の位置や大きさ、腸の詰まり具合などを確認し、画像診断を行います。
ヒモやゴム、ビニールなど異物により、X線に写らないものや超音波検査では、はっきり判断するのが難しいものもあります。
確定診断にはなりませんが、腸にヒモ状の異物が流れている場合、腸がアコーディオン状に手繰り寄せられ、特徴的な像をレントゲンで確認できる場合があります。
この状態だと折れ曲がった部分で穿孔し、最終的には腸の壊死を引き起こすことがある為、緊急手術が必要になるケースがあり、特に危険な状態です。
<治療方法>
※中毒や消化管を傷つける心配がない異物は便と一緒に自然に排出されるのを待つ場合もあります。
・催吐処置
誤食してからあまり時間が立っておらず、異物が胃の中にとどまっていて、食道をスムーズに
通過しそうな場合や吐かせても危険のない物の場合催吐処置を行います。
・内視鏡手術
異物が胃内にとどまっていれば、内視鏡で取り除ける場合があります。
内視鏡は全身麻酔下で行います。
口の中から内視鏡を入れ、切開せずに食道や胃の中の異物を取り除きます。
・切開手術
内視鏡で摘出できない場合や閉塞が起こっている場所により、切開手術が必要な場合があります。
腸に異物が絡まっている、腸閉塞を起こしている場合は非常に危険な状態なので緊急手術が必要になります。
<予防・対策>
誤食を防ぐためには日頃から環境を整えることが大切です。
(例)
・おもちゃは頑丈で飲み込めない大きさのものを選ぶ
・遊ぶ時だけ出してそのままにしない
・猫ちゃんが手の届くところに物を置かない
・お家を留守にするときは猫ちゃんをケージに入れる
など
猫ちゃんの異変にいち早く気づくためにも、日頃から様子をよく確認するようにしましょう。