今回はアジソン病(副腎皮質機能低下症)についてお話しします。
アジソン病とは腎臓のそばにある副腎から分泌される副腎皮質ホルモンが少なくなる病気のことで、発症は稀ですがほとんどの場合は1歳〜8歳の若い犬にみられます。
また、アジソン病は発見が難しいと言われています。
症状
元気・食欲がなくなる、下痢、嘔吐、体重減少など…
胃腸炎や腎不全などの他の病気と症状が似ています。
原因
主な原因は不明ですが、自分で自分の細胞を壊してしまうことで起こる副腎の萎縮だと言われています。
検査
血液検査…内分泌(コルチゾール)、電解質(ナトリウム・カリウム・クロール)、
腎臓(BUN)の検査をします。
・コルチゾールの数値が基準値より低い
・カリウムの数値が高く、ナトリウムの数値が低い
・BUN(血液中の尿素数)の数値が高い
超音波検査…副腎の大きさを測定します。
治療
ほとんどは飲み薬の内科療法になります。
薬には不足してしまうホルモンを補う成分が含まれています。
アジソン病は完治しない病気でストレスに弱い為、トリミングや旅行などの環境の変化による発症が多く見られるそうです。
また、症状が出ているのに放置すると痙攣や失神などのショック状態となり、命を落とすこともあります。
アジソン病は前回お話ししたクッシング症候群と同じく予防法がない為、定期的な健診での早期発見、また様子がおかしい場合は長く様子を見ず早めの受診をお勧めします。