すっかり秋になりましたね。もうすぐ冬眠する時期かとは思いますが、今回はカエル中毒についてお話をしていきます。わんちゃんのお散歩中やお庭などで、出会うことがあるかもしれません。普段見慣れない生き物を目にすると、興味を示すわんちゃんも多いのではないでしょうか?
カエル中毒とは…
日本にも多く生息しているヒキガエルのことを指します。その発生源は、カエルの耳下腺から産生される毒素が原因です。そのためヒキガエルを犬や猫が口にくわえてしまうと、耳下腺から毒素が分泌され、中毒を引き起こします。この毒性物質の名前は、ブフォトキシンというものでヒキガエルにとっては外敵から身を守る大切な武器です。
症状
よだれ、口周囲をひっかく行動、嘔吐、チアノーゼ、沈うつ、肺水腫、気管虚脱などで激しい場合にはけいれんを起こして亡くなります。早い場合で15分ほどで毒素が体中にまわり、個体差はありますが30分〜60分で命を落としてしまうケースもあります。また、解毒剤はありません。そのため、初期対応がとても重要です。もしもカエルを口にしてしまったら、すぐに口腔周囲を大量の水で洗い流してください。そして様子は見ず、速やかに動物病院を受診してください。
当院では「カエルを食べてしまった」と来院される方はほとんどいらっしゃいませんが、命を落としてしまうリスクが高いため、ご周知いただけますと幸いです。