わんちゃん・猫ちゃんを飼っていて、お尻を地面にこすりながら歩くのを見たことがあるという方も少なくないと思います。そういう場合「肛門腺」が原因であることがほとんどです。
「肛門腺とは」
肛門の下にある肛門嚢という袋のことで、その袋の中に匂いが強い分泌物が溜まっています。
通常は排便時に便と一緒に排出されますが、出口までの管が細かったり小型犬や肥満・老化などの原因によって肛門括約筋の収縮力が低下することで排出されずに詰まったり、多量に溜まってしまうと細菌感染・炎症が起こり膿が溜まって膨らむ「肛門腺炎(肛門のう炎)」になることがあります。
「肛門腺炎の主な症状」
お尻を床にこする、肛門周りを舐める、皮膚が赤い・腫れる(皮膚炎の場合もあり)
肛門腺を絞った時に出血・膿が出る、排便時に痛がる、皮膚が破れて穴が開く など
「治療と予防」
溜まった分泌物や膿を外から押し出し洗浄
普段からご家庭やトリミングサロン等で定期的に肛門腺絞りをする
肛門腺炎は繰り返し起こることがある為、肛門腺摘出手術を考えていただく場合もある
☆肛門腺の絞り方☆
尻尾を持ち上げると肛門が膨らんでいるのが見えるので、肛門下部の4時と8時くらいのところを親指と人差し指でつまんで押し上げます。すると分泌物が出てきます。
※分泌物の量、色は個体差があります。
分泌物が出たらウエットティッシュで拭くか、お湯で洗い流すとお尻周りの汚れや匂いが気になりません。
肛門腺絞りを初めてする方や慣れていない方は、お風呂場などの汚れても良い場所ですることをおすすめします。お尻を触られるのを嫌がる子やご家庭で肛門腺絞りが出来ない、尻尾がなくて絞りづらいという場合は当院でも処置が可能ですのでお気軽にご相談下さい。