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2022.05.07

膵炎について

今月は膵炎についてお話していきます。

まず膵臓は、トリプシンなどの消化酵素を十二指腸に分泌しています。正常な状態では、消化酵素は膵臓内で不活性な状態で存在し、腸内に分泌されてから活性化しますが、何らかの原因により膵臓内で活性化されてしまい、膵臓自体を消化してしまうことで膵臓に炎症が生じることを膵炎といいます。発熱や元気食欲の低下、嘔吐や下痢、脱水症状などを示し、最悪亡くなってしまうケースもあります。これが急性膵炎です。また、この急性膵炎と似た症状が断続的に起こるのが慢性膵炎です。

《要因》 
はっきりとした原因はわかっていませんが、いくつかの要因はあげられます。
①高グリセリド血症(中性脂肪)の犬
②ゴミや残飯、食卓上の食べ物を食べてしまった場合
③脂肪を多く含む食事や肥満な子
特に③のケースが多くみられます。また、クッシング症候群や糖尿病、甲状腺機能低下症などの内分泌疾を持つ子が膵炎になるリスクが高まるといわれています。

《当院での検査》
・血液検査→血液検査でCRP(炎症の数値)と検査キッドで膵特異的リパーゼを確認。
・レントゲン検査
・超音波検査

《治療》
入院か通院かは飼い主様とご相談してにはなりますが…
・点滴
・制吐剤
・膵炎用注射(ブレンダZ)
・低脂肪食への変更↓

低脂肪食

軽症の場合は、皮下点滴や注射、内服薬で様子をみることもあります。ただし急性膵炎は、急激に悪化することも多いため、症状が落ち着かない場合は再度病院へ受診してください。

《予防》
明確にこれが予防法といえるものはありませんが、人間の食べ物、食べ残し、ごみを口にしないよう対策をする。肥満であれば適正体重まで減量をする。

《急性膵炎で起こりうる合併症について》
・急性腎不全
・呼吸困難(肺水腫など)
・ショック症状
・糖尿病
・播種性血管内凝固(※全身の血管内で小さな血栓が作られ血管につまることもある末期的な状態)
などがあげられます。

《慢性膵炎になってしまったら》
食事をきわめて脂肪分の少ない食事に変更することが大切です。膵炎の子におすすめなのが低脂肪のお食事です。何種類かございますのでまずはご相談ください。

 

Tel.022-769-9939
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